GoogleとFacebook
先月末に突然に飛び込んできた、ヤフージャパンとグーグルの協業のニュースについて、もっとも適切と思う解説は、以下の湯川鶴章氏のそれでした。
Googleではなく、だれが次のライバルになると考えているのだろうか。 これも簡単である。検索の次の中核技術はソーシャル技術であり、業界の次の覇者の座に一番近いのはFacebookである。(「Yahoo!JapanとGoogleを協業に向かわせたFacebookの脅威」TechWave 湯川鶴章氏)
長いので短く引用しましたが、これだけでは何のことかわからないと思うので、また後で、リンク先全文を読んでいただきたいのですが。こちらも参考に、
世界最大のソーシャルメディアであるFacebookは、マネタイズ手法確立の一歩手前まで駒を進めている。Facebookが4月22日に発表した新戦略で、Facebookがウェブ全体をFacebookの人間関係で覆い、その人間関係を通じて情報、広告が流れる仕組みを作ろうとしていることが明らかになったのだ。(「Facebookが開くポストGoogle時代【まとめ記事】」TechWave 湯川鶴章氏)
実は、上の記事を読んだ時点で、私はまったくピンときませんでした。しかし、その後の数カ月で実は、私の身の回りでも、すごい勢いでFacebookは普及中です。それで、実体験的にわかってきました。
私の親も、デジタル系は全くダメですが、子や孫の日常の様子とか知り、交流するために、Macを立ち上げてFacebookを見ています。
Facebookの普及については、「米国でのFacebook浸透率はついに70%超。全国民参加メディアへ驀進中(in the looop
)」など、あちこちで取り上げられていますが、特徴的なのは、「実名」で「リアルな人間関係の補完」ということです。
Facebookをしていない人でも、最近、あちこちのブログで、「Like(いいね!)」ボタンが増えてきたことに気がつくようになってきたと思います。
「彼がLikeをクリックした曲だから聞いてみよう」ということがきっかけとなり楽曲を購入することが増えるだろう。広告を見て購入するのでもなく、情報を検索してから購入するのでもない。よりソーシャルな、別の消費行動の形が増えてくるかもしれない。(「Facebookソーシャルプラグインまとめ=AISASは時代遅れに?【湯川】」)
半信半疑ですが、これって、凄くないですか。
では、グーグルは、Facebookをとらえることができるのでしょうか。
難しそうです。
このことに対して、なるほどと思ったのは、下記の記事です。
GoogleがWaveの開発中止を発表したのニュースになった。では何故上手く行かなかったのだろうか。(略)ネットワーク効果の強い業界への参入には、関連性の強い「ブロック」をおさえることが必要だ。Facebookは大学生をターゲットにした。学生にとって他の学生とのコミュニケーションは極めて重要であり、しかもそのやり取りの多くはそのグループ内で終わる。大学生だけ押さえればとりあえずはサービスとして価値が出てくる。そして大学生というブロックを確保し、そこから広がっていった。大学生という集団が卒業という形で自然に拡散していく点がこの発展を後押ししたわけだ。
TwitterはFacebookによってすでに固められた友達関係という繋がりを使わなかった。友達という性質上双方向的な関係ではなく、フォローによる一対多の関係をネットワークの基本としている。一対多の関係はFacebookでは成立しにくい、有名人とそのファンというブロックを囲い込んだ。Twitterのこの性質は、個人が一種の有名人となりファンを獲得するという環境を提供し、それにのった「プチ」有名人が次々にファンを呼びこむことでTwitterは拡大した。
Facebookのように昔知っていた人を見つけるということもない。既存のネットワークに比べて新しいコネクションを提示できなければユーザーは留まらずいつまでたってもネットワーク効果は発生しない。(「Wave開発中止のポイント」経済学101)
グーグルの勝ちパターンではないということですね。
とりあえず、備志録として書いてみました。
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