マイクロソフトの背中が見えてきた、けど。
アップルの時価総額は、2376億ドル。マイクロソフトは、2676億ドル。射程圏内に入ってきました。私が最初にアップル株を買った時からは、50倍以上の上昇。一方、昔はアップルの上を行っていたアドビが190億ドル。私のアドビへの認識は、アドビとアップルが肩を並べた頃で止まっていたので、改めて現状にびっくりです。
ところで、アップルとアドビとの間のFlashを巡る確執(「FlashをめぐるAppleとAdobeの対立【これまでの経緯のまとめ】」参照)が、盛り上がっていますね。その意味するところを、maclalala2さんが紹介されているCharlie Strossの論が「なるほど」と思わされます。
Steve Jobs は、アップルの未来を・・・時価総額が 2000 億ドルをこす企業の未来を、新しいマーケットへの進出を目指す一か八かの勝負に賭けているのだと思う。目覚めた HP は森が燃えているの気付いた。2、3年遅れではあるけれど・・・。マイクロソフトはコールタールの穴にはまりこんで抜け出せずにいる。自らの住むすべてのエコシステムを焼き尽くす地獄の炎が迫っているのを理解できないのだ。そこら中にパニックの臭いが立ちこめている。(略)ともかく Steve Jobs の陥っている戦略的ジレンマとは、ひと言でいえばこういうことだ。これまで30年以上にわたり馴染んできた PC 産業そのものが死滅しようとしているのだ。(「Steve Jobs が Flash を嫌う本当の理由」maclalala2さん)
詳しくは、リンク先を読んでいただくとして、沈みかけている船の上で、どれだけ多くを占有できるか競い合っても、もう仕方が無いのだ。マイクロソフトの背中を追いかける競争は終わっていたのだ。
データ(アプリ)へのアクセスを握っている限り、それから使用料を徴収するというビジネスモデルが可能なのだ。品質も(どんなものであれ)維持できる。マルウェアも排除できる。ライバルをやっつけることすらできるのだ。よく手入れされた App Store は事実顧客を惹き付ける。アプリを動かす OS の普及を図るためにも強力な武器となる。OS、ハードウェアプラットフォーム、そしてアプリが揃ってエコシステムとなるのだ。(同上)
ところで、Mementa Macさんが、「iPhoneとFlashの一件で、AppleがAdobeを買収する可能性は高まったと思う。」というエントリーを書かれていました。androidの支配も視野にいれれば、そういうことになると思います。
今度の市場は、これまでとはスケールが違います。
さて、今後の展開ですが、
アップルとマイクロソフトは競合しているように見えて、棲み分けているというか、あまり激しい争いにはなりそうにありません。一方、両社とも、グーグルとの激しい争いに突入しそうになっています。だとすれば、必然的に、アップルとマイクロソフトは提携することになると考えれば合理的です(もちろん、アップル優位で)。
セオリーでいくと、アップルとグーグルの両方に投資して様子を見るべきです。
個人的な応援感情は別にして、グーグルを少し買ってみましょうか。
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