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2009.09.26

八ッ場ダムの損得計算の疑問

八ッ場ダム中止問題については、私は、テレビや新聞で書かれている程度のこと(それも最近)しか、知りません。そんななか、あちこちで書かれているなかで「計算が変だな」と疑問に感じていることがあります。

 まず、両極端の社説を書いている毎日新聞と読売新聞を引用してみます。

 すでに約3200億円を投じており、計画通りならあと約1400億円で完成する。中止の場合は、自治体の負担金約2000億円の返還を迫られ、770億円の生活再建関連事業も必要になるだろう。ダム完成後の維持費(年間10億円弱)を差し引いても数百億円高くつく。単純に考えれば、このまま工事を進めた方が得である。
 だが、八ッ場だけの損得を論じても意味はない。全国で計画・建設中の約140のダムをはじめ、多くの公共事業を洗い直し、そこに組み込まれた利権構造の解体に不可欠な社会的コストと考えるべきなのだ。「ダム完成を前提にしてきた生活を脅かす」という住民の不安に最大限応えるべく多額の補償も必要になるが、それも時代錯誤のツケと言える。高くつけばつくほど、二度と過ちは犯さないものである。(毎日新聞社説9/23)

 ダム建設の総工費は4600億円だ。うち約3200億円は関連工事などに投入済みである。1都5県も多くを負担しており、国の都合で中止すれば、これを返還しなければならない。前原国交相は、中止の場合、自治体の負担分を返還する考えを示しているが、その財源は貴重な国民の税金である。
 一方で、地元での環境整備事業などは継続するとしており、これにも相当な資金が要る。結局、ダムの完成より、中止した方が余計にお金がかかる計算だ。
 前原国交相は、そうした損得勘定も考慮に入れる必要がある。(読売新聞社説9/24)

 5大紙のなかで、このことについて社説を書いているのは、上記2社だけで、正反対の意見です。

 さて、どちらも、工事中止のほうが費用が高くつくとしています。その費用の大半は、自治体への返済2000億円です。けれども、国にとっては出費かもしれませんが、自治体にとっては、収入になります。私たちから見れば、どちらも同じ。役所間の金銭移転にすぎません。これは、既に出費した2000億円を、国と自治体のどちらが負担するかというだけの問題であり、これから費用が発生するわけではありません。役所間の話し。関東地方に住む住民にとっては同じことではないでしょうか。ダム問題が全国に波及するとすれば、関東地方以外の住民も同じことになります。

 それにしても、こんな計算、変ですよね。国だけではなく、地方も含めて損得を計算してください。もちろん、ほんとの損得とは、費用に対して十分な効果があるかどうかであって、単なる足し算引き算の話しではないんですけどね。

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コメント

ユキオさん、こんばんは。(首相と同じ名前ですね...)

さて、八ツ場ダムの件、twitterで私の知人がretweetした(わかりますよね...笑)情報源をちょうど調べていたところなので、思わず反応しました。

八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて(2009年9月17日)
http://yamba-net.org/modules/problem/index.php?content_id=22

ちょっと真面目に書き過ぎで頭がいっぱいになってしまったので、自分のブログにまとめようかとも考えていますが、できましたら、ユキオさんお得意の分析力で簡潔に要点だけでもアップしていただけるとうれしいです。

NPOの情報源は、マスコミなどより遥かに信頼性のおけるものだと思います。まっとうなNPOは、とことん調べますから、マスコミは全くかなわないのが現状です。マスコミはスポンサーや地元議会との関係からか、「反対派」のレッテルを張りますが、私の経験からいってもNPOはとことん調べますし、ほんとうのことをいいます。

逆に、今報道されていることは、「感情的なもの」ばかりで、それはそれで十分なケアが必要でしょうけど、付け替える必要のなくなった「生活道路」まで、計画通りというのは国税の納税者の一人として容認できるものではないです。

自治体への返還金の件は、ユキオさんのいわれるとおり。マスコミは何を問題にしているのでしょうか?
それにしても、上記の社説は酷い内容の「作文」ですね...

kenta++さん、どうもです。

>要点だけでもアップしていただけるとうれしいです。

 最近は、民主党が、あまりにも多くの話題を提供してくれるので、面白すぎますが、時間的に、八ッ場ダムにのめり込むつもりはないです。すみません。
 ただ、1週間前までは白紙でしたが、今では民主党案が正しいと思っています。ダムが出来ないとすれば、用地買収の結果、大きな国有地が出現することになるわけで、地元の人たちのためにも有効活用していただきたいと思います。それが、ダム以上に魅力があれば、地元民も報われるわけで、今は代替案がないから、反対するしかなくなっています。
 地元の関心は、ダムと言うより地域経済の問題みたいなので、代替案次第では、一気に賛成が増えるのではないでしょうか。

 ただし、

 地域経済活性化のために、地元土木業者を使うことが前提
     ↓
 地元業者のキャパが小さいので、一気に工事をすることができないので、毎年、少しずつ工事をする。
     ↓
 いつまでも、だらだらと工事をし、それ自体が永続的な産業のようになってしまっている。
     ↓
 これを一気に壊そうとすると失業が増え「小泉政権は地方を疲弊させた」みたいな選挙民の反乱につながりかねない。

 私の関心はむしろ、こちらのほうで、難問だと思います。

 twitterは、使い方もわからず、洪水に溺れていますが、短文なので中身がないものが多いのかなと思っていたら、むしろ、要点だけが書かれていたりして、わかりやすかったりしています。情報探索の入り口になりそうな感じです。
 また、教えてください。

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