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2009.07.04

フィンテック グローバル

5回目の投稿です。前回投稿は2年前で、メリルリンチの提携を何たらかんたら、と書いていましたが、まさかメリルリンチでさえ、あんなことになるとは(メリルリンチではなくフィンテックのほうが生き残ったとは!)。その後、坂道を転がるように業績を悪化させているフィンテックについて、私は保有株を手放してからは、久しぶりにIR資料を、読んでみました。

 大きなトピックとしては、今春に自社発行の新株予約権付社債の大量償却をおこなったことです。動画配信での説明では、市場から額面約140億円分を、100億円弱ディスカウントの約40億円で買い入れたと言っています。特別利益が98億円。自社社債の空売りで儲けたようなものです。アイフルでさえ、社債償還益は1割程度ですから、すごい。まあ、素直には喜べませんが。
 残りは額面80億円分。それ以外の借入は、ノンリコを除けば、21億円程度とのことで、すっかり身軽になってしまいました。
 
 これらを含めて、フィンテックの決算は、特別利益と特別損失のオンパレードです。
 これを個人投資家に例えると、
 19年秋には、自己資金250億円で、レバレッジをかけて900億円の信用取引きをしていました。しかし、運用に失敗し、20年秋に自己資金は168億円に、さらに20年秋から今春にかけて運用損を191億円も出してしまいました。この時点で、ゲームオーバーのはず。ところが、先述した自社債の空売りで98億円も儲けたため、直近では自己資金は60億円となっています。
 ピーク時から自己資金が4分の1になっていますが、資本増強なしですから、意外と持ちこたえたと思います(株価は50分の1)。上記の償還益の効果の大きさがわかります。
 ちなみに、フィンテックの自己資金の推移を見ると、15年秋の債務超過状態から、16年秋には自己資金6億円、17年秋には34億円、18年秋には248億円という、恐ろしい伸び(PBRが高いときに増資をしたので、希薄化は1割程度)がありました。同じ歴史が再現できるとまでは思いませんが、まあ、そういうダイナミックな企業ということです。今、何よりもよいことは、一般投資家から見捨てられていることです。
 
 で、特損の現況を見ていきます。
 


 投融資額引当・評価損割合
棚卸資産6,0981,38423%
営業貸付金11,7077,33363%
営業投資有価証券5,5954,55081%

 
 まず、棚卸資産(連結された不動産)ですが、連結B/Sの4月末の純資産は60億円。一方、個別は81億円なので、差額21億円が連結部分の債務超過分ということになります。そのうち13.8億円は、SPCとかが保有する不動産が原因ということになります。あとは、子会社群でしょうか(そんなに大きいのか?)。
 
 次に、営業貸付金と営業投資有価証券です。
 営業投資有価証券について、「建築確認前ブリッジ」「開発型」については、100%を引き当てています。稼働物件のある「運用型」「非不動産」が10億円分ありますが、それ以外は価値ゼロということです。
 営業貸付金については、引き当てた後の残額が4,374百万となっています。しかし、今期上半期6か月分の新規実行額が、5,427百万円です。とすると、6か月以上経過したものは全て価値ゼロとしたうえで、さらに10億円以上も引き当てていることになります。ほぼ全てが劣後ローンなんでしょうから、先に毀損していくのはわかりますが、さすがに、十分な気がします。
 
 こうして見ていくと、不動産についてだけは、まだわかりませんが、特別損失の発生については、峠を越したと考えてもいいのではないかと思います。
 うまくいけば、戻入益が出るかもしれません(額は少ないが出始めているそうです)。
 
 で、次の関心は、じゃあ、経常損益はどうなるの?となります。
 子会社には動き出したものもありますが、まだまだ、スケールが小さいです。本業が動き出さないと、本格回復とは言えません。
 動画配信では、以前は、前向きの資金需要が商売ネタだったが、最近は、後ろ向きの資金需要が出てきている、と言っています。破綻企業支援、債務整理、再生支援などですね。まだ、口頭説明のみで何とも言えないですが、それが本当に数字に現れてきたなら、私も動き出すことを考えます(うまくいけばの話しです)。
 
 おまけトピックスですが、21.6.29に「「地方のまちづくりに役立つノンリコースローン供給促進モデル事業」に係るアレンジャー選定についてのお知らせ」ということで、フィンテックが、社団法人全国市街地再開発協会というところから、アレンジャーに選定されたというニュースが出ました。
 「全国市街地再開発協会って、何だ?」とサイトを見ると、会長が岡村日本商工会議所会頭、理事長が城戸氏という最終官職が建設省住宅局住宅生産課長のひと。理事には、県知事とかいろいろ。要は、建設省の外郭団体です。
 
1.目的
 地方都市における街なか居住に寄与する居住機能、生活利便機能等を提供する不動産事業に係る資金調達の多様化・円滑化を図るため、複数の地域金融機関等の提供するノンリコースローンを証券化するスキームをモデル的に実施します。
2.想定するスキーム
○ 個別の不動産証券化に係る特別目的会社(以下「SPC-1」といいます。)に対するノンリコースローン債権(特定社債等を含みます。以下同じ。)をレンダー(地域金融機関等)が、ノンリコースローン債権の証券化を行う特別目的会社(以下「SPC-2」といいます。)に譲渡します。
○ SPC-2 は、複数のレンダーのノンリコースローン債権をまとめて証券化します。
○ SPC-2 が発行する証券化商品は投資家、レンダー(地域金融機関等)が取得し、SPC-2 に対する優先出資はアレンジャー等(最劣後)及び街なか居住再生ファンドが実施します。
○ SPC-2 の資産規模は200〜300 億円程度を見込みます。街なか居住再生ファンドからは最大40 億円の出資(費用、手数料を含みます。)を実施します。

 街なか居住再生ファンドとは、こんなかんじ
 

 モデル事業の実施にあたり、以下に概要を記載するノンリコースローン債権の買い取りを、モデル事業を実施するために設立する特定目的会社にて行いたく、全国の金融機関、リース会社及びノンバンク等の貸金業者各位に対しまして、対象となるノンリコースローン債権の提供をお願いするため、ここにお知らせします。

 
 これから持ち込まれる(のだろうか)ノンリコ債権、さすがに、ここから大幅な毀損はないでしょう(「買い上げてあげなさい」みたいな政官圧力さえなければ)。
 一方、こんなときに、こういう商品を買う投資家なんているんでしょうか。それは問題ないと思います。国の外郭たる公益法人なんかは、基金の運用益を主財源に事業をしているところが多いんですが、運用先に制限があったりして、低金利に困っているんです。そういうとき、もし運用損が出ても《言い訳ができる》建前で買える商品って、便利だと思います。人脈もあるでしょうし、200億円ぐらいなら、集まると思います。モデル事業としては、失敗の可能性は低いと思います。
 
 
     □ これまでの投稿 □
    
4回目 2007.8.23
3回目 2007.5.12
2回目 2007.2.3
1回目 2006.11.26

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コメント

はじめまして、いち銘柄に特化してブログしています。(笑

ブログ開設後、いろいろ情報をネットより拾っていた時
このブログを知り、ブログ記事にもさせてもらいました。
(URL)は、該当アドレスです。
久しぶりに訪れましたら更新されていましたので
コメントさせてもらいました。
こらからもよろしくお願いします。
記事更新楽しみにしております。

 ららさん、こんにちわ。
 ららさんの《いち銘柄》については、ほとんど分析していないので投資対象としてはわかりませんが、
 ブランドとしては、地元では確かに人気があります。
 今は、時間がなくて他のブログをほとんど見てませんが、
 また、訪問させていただきます。

このエントリーから更に四年経った
フィンは貴殿にはどのように写っておりますか?

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