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2008.06.28

目標とする経営指標

企業の決算短信を数頁ぺらぺらめくると「目標とする経営指標」という項目があります。ここは、とても重要です。企業の目指すところが、こちらの求めているところと違えば話しになりません。また、各企業の特長も出ていて、興味深い箇所でもありますので、いくつか見ていきます。最後に私の失敗談もあります。


 当グループは、長期計画として婦人、紳士靴下部門における国内販売シェア11%の確立と売上高経常利益率の11%確保を目標としております

 上は、タビオです。11という数字が気になりますね。売上高経常利益率の目標は、前期は達成しました。しかし、水準が低いだけに少しの売上高変動で大きく動きそうです。この業界の宿命でしょうか。
 で、成長企業なら、利益率だけでなく、回転率(売上規模拡大)も求めて欲しいところですが、シェアという形で目標としています。
 
 次いきます。
 

 当社は安定的でかつ成長途上の企業であるという認識に立ち①売上高営業利益率35%以上、1人あたり売上高2千万円以上の二点を目標とすべき経営指標として掲げ、企業価値の最大化を目指しております。

 情報企画です。今中間期では40.9%。高いですね。規模拡大のほうは、人材確保を課題としている企業らしく、一人当たりという表現が興味深いです。

当社グループが目標とする経営指標は、 ① 売上高営業利益率:目標30%(平成20年3月期 25.6%) ② 自己資本当期純利益率(ROE):目標25%(平成20年3月期 31.6%=達成済み) の2指標であります。

 上は、シンプレクステクノロジーです。高い目標で結構だと思います。次いきます。

 ワタミグループは、健全性の高い経営を維持していくために財務の健全性・安定性を確保するとともに、ROI(投下資本利益率)40%を基準とし投資効率を重視した経営を行っていきます。
   上は、ワタミです。外食だけでなく介護も同基準だそうです。個別案件毎の目標となっていますが、企業全体の目標も欲しいですね。  次にいきます。
 当社グループの重視する経営指標は、①売上高、②売上高経常利益率です。具体的には、個別の売上高経常利益率を20%を指標とし、連結売上高経常利益率も個別経常利益率に近づけていくことを目標としております。

 上は、サイボウズです。個別はともかく、連結が課題です。個別は19年1月期は20.9%、20年1月期は28.5%。何しろ、売上総利益が約95%ですから。一方の連結は、19年1月期は5.0%、20年1月期は6.6%です。次にいきます。


 当社グループは一層の経営体質強化に向けて、利益性の観点からEBITDAマージンを重要な経営指標とするとともに、投資資本の効率性の観点から、ROCEについても重要な経営指標といたしております。EBITDAマージンは35%以上、ROCEは20%以上を中期的な目標値としてその達成に努め、企業価値の最大化を図ってまいります。

 
 NTTドコモです。EBITDAマージンは知っていましたが、ROCEは始めて聞きました。
 
 さて、次が問題です。

 当社グループは、財務の健全性を維持するため、当社グループに帰属しないリスクを控除した連結純資産比率40%以上を確保することを目標として掲げております。

 は?
 
 純資産比率なんてものだけを、目標経営指標とする企業に投資したい人はいるでしょうか?
 これは、アセットマネジャーズなんです。実は、アセットは、以前は、経常利益成長率も目標に掲げていました。しかし、18.10.10発表の中間期の決算短信において、その文字が消えてしまいます。
 
 その中間期の決算は、前期比の経常利益で201.6%増益という素晴らしいものでした。私は、ウキウキしながら決算短信を読み進めていくと、次の文章に出くわします。
 

 当社は、マーチャント・バンクとしての高い収益性と財務の健全性を維持しながら株主の皆様に利益還元したいとの考えから、経常利益成長率及び純資産比率を重要な経営指標と位置づけ、経常利益成長率は前年比50%増を目処とし、純資産比率は50%の確保を目指して参りました。(略)
 今後につきましては、当社グループの事業規模が大きく成長したこと、またそれによって財務の安定性が高まってきたことを背景に、経常利益成長率の位置付けを改めるとともに、純資産比率の目標水準を40%以上とすることといたします。

 
 「経常利益成長率の位置付けを改める」
 回りくどいですけど、目標とするのをやめるということです。

 そのとき、これは危険信号だ、と一瞬ですが頭をよぎりました。
 そもそも、波がある業界で「経常利益成長率前年比50%増」なんて目標を立てること自体、おかしなことでしたが、それはそれとして、年度の途中で、経営指標が変更されるなど、普通、したくないことです。来年度は、ほぼ間違いなく、50%増益は無理だろう。
 ところが、アセットの決算短信から、説明会資料と読み進めていくうちに、「やっぱり素晴らしい好調ぶりだ」と、どんどん楽観的になってしまったのです。「50%は、無理でも、40%ぐらいでは」
 冷静に考えれば、少し成績が下がるぐらいでは、変更などしません。これは会社が発信する兆候(サイン)だったのでしょうか。
 果たして、この半年後の決算において、次年度増益ゼロが発表されました。いわゆるアセットショック。連続ストップ安となったのでした。

 ・・・・・・・・・。


 でも、アセット、嫌いじゃないです。頑張ってください。

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