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2007.02.10

情報企画

 2回目の投稿です。情報企画の1Q四半期決算に簡単にコメントし、ユニバーサルソリューションシステムズ(以下「USS」)と照らし合わせてみます。

 まず、前年同期と比較します。SI事業(システムインテグレーション)とは、ソフト開発販売のこと、SS事業とは、入力代行など、周辺のサポートです。年間を通せば、SI事業のほうが、おそらく3倍以上の売上になるのですが、SS事業の売上は、1Qに固まる傾向があるようで、大きくなっています。
 
  (前期1Q)→(今期1Q)
SI売上   109 → 219(101%Up)
SS売上   217→ 271(25%Up)
売上原価  237→ 248(5%Up)
売上総利益 27.5%→ 49.5%
販管費   119→ 121(2%Up)
経常利益  △27→ 130(黒字転換)

 本業のSI事業の売上げが、前年同期比2倍を超えています。一方で、売上原価、販管費は、ほとんど前年度並みです。(SS事業は、その性質上、売上と原価は比例すると思われますから)SI事業だけを見ると、むしろ、売上原価が下がっているのかもしれません。
 つまり、売上が伸びても、追加コストが発生せず、そのまま、利益増に結びつくというソフト会社特有のメリットが現れています。しかし、SI事業は、2Q以降が本番なのです。
 この四半期決算を受けて、地合いが良ければ、翌日はストップ高だったかもしれませんが、実際には、発表(19.2.6)後3日連続、株価は下がっています。
 
 もう少し、遡ってみます。
 
 情報企画は、前々年度(17.9期)に、大幅な業績下方修正をしています。年度当初は、顧客である金融機関の業績回復及び買替需要を理由に、経常利益で、前期比20%Up(415→500)を予想していたのですが、蓋を開けてみれば、30%Down(415→320)となってしまいました。
 なぜ、予想が外れたのでしょう。
 会社は、その理由として、
 営業面で、ユーザーのシステム導入検討の長期化
 開発面で、開発行程等の複雑化(コスト増)
 をあげています。
 特に、売上がずいぶん下がっているので、前者の影響が大きいと思いますが、営業面で、顧客は思ったよりも、出足が遅かったということです。
 これらの理由は、普通に考えるだけでわかりますが、需要の後倒し、売上を先送りしただけのように見えます。案の定、決算発表後、株価は暴落しますが、業績は急回復するのです。
 
 前年度(18.9期)は、経常利益で、前期比40%Up(320→450)を予想していたのですが、蓋を開けてみれば、120%Up(320→705)と大増益でした。株価のほうも、ライブドア事件、5月暴落等による新興市場暴落の煽りを受けた分を除けば、業績下方修正発表直後の暴落が、結果として最安値でした。下方修正を受けて安値で売った投資家は、往復ビンタを喰らったようなものです。
 
 さて、ここからがUSSに当てはめて考えるときです。今週、USSは、主にセキュリティ関連ソフト不調による業績下方修正を発表しました。本当に、セキュリティ関連ソフトは、ダメなのでしょうか。それとも、需要の後倒しがあるのでしょうか。この判断が、勝負の分かれ目です。
 USSは、以前の説明資料の中で、「内部統制の必要性による需要の拡大」によりセキュリティ市場が伸びる、と書いています。しかし、内部統制整備は、8年度から上場企業に義務化されるというものの、各企業の対応は、完全に遅れています。監査法人トーマツの調査によると、「内部統制ルールにほぼ対応済み」が、全体の4.6%。「具体作業を始めた企業」も、21.1%どまりです。74.3%が「対応準備段階」だそうです(2.8付の日経新聞)。ルール作り、業務文書化から始まって、セキュリティ製品購入などは、その後でしょうから、今の段階で売れないことは、十分にわかります(それなりにセキュリティ込みのオンラインストレージが売れていることも知っていますが、まだまだ全然だと思います)。代理店整備以前の問題だと思います。
 問題は、「じゃ、後になれば売れるの?」ということです。
 答えは「わかりません」。私は、USSについては、少額の打診買いのレベルですから、当然、ホールドを続けます。そして、状況次第で、情報企画と同じ「需要の後倒し」が起こることが見込めれば、追加買いになるかもしれません。不発に終わるかもしれません。
 
 ただ、USSは、前回投稿で書いたように、今、情報企画のような「費用前倒し」終了による収穫段階、に至っていません。ですから、仮に売上が伸びることがあっても、利益が直に連動するわけではありません。
 私が注目している理由は、短期的変動はともかく、アウトソーシングへの流れと、開拓次第でいくらでも広がる市場、競合不在という事業環境を考えると、中長期的にマイナス要因が見当たらないという、(情報企画よりも、ずっと大きく見込める)将来性のほうです。ただ、本格買いするには、売上がカタチになってくる必要があります。
 
 話は、情報企画に戻りますが、
 経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、「情報サービス業の売上の将来見通し(今後3か月間の当期3か月との比較)」の「主要相手先別」で、「金融保険業」向けは、好調なソフト業界でもダントツです。増加見通しが、17年10-12月の27.8%から、18年10-12月は37.5%へ。かなり、明るいです。
 なかには、TISのようにコスト増パターンもあるので、注視は必要ですが、情報企画は、前々期にそれを済ませ、収穫期です。
 
   □ これまでの投稿 □

1回目 2007.01.24
 

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コメント

私は販売代理店の獲得に苦心しているところが気になっています。

市場がまだ商品を購入する段階でないにしても、魅力のある商品であれば販売代理店獲得できると思うんですよね。

 よくわかりません。
 私の素人考えでは、セキュリティ関連製品は、ウイルス対策から始まって、多くの種類があるのですが、客にしてみれば、個別に提案されてもめんどくさいのですね。トータルで提案して欲しいのです。USSの製品は、操作ログ記録機能もあるのですが、これはインテリジェントウエイブのCWAT(本来は全然、別ジャンルの製品)と機能が重複しています。代理店としては、トータルな製品ポートフォリオを考えたときに、他製品と機能重複したりして、うまく、はまらないのかもしれません。
 あるいは、手数料交渉。CWATの場合、NTTコミュニケーションが代理店ですが、売上の半分が手数料として、取られるのです。
 さらに値段。機能とレベルが違うので比較も難しいのですが、日経コンピューター06.8.7号によると、NTTコミュの製品が月6万円。日本テレコムの製品が月2万円強。USSは月10万円と高めです(それだけ高機能ということですが)。

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