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2006.12.28

ゴリラを最初に買いに入る時期

 正月休みに、読もうと思っている本に、「ゴリラゲーム」の著者、ジェフリームーアの新作「ライフサイクルイノベーション〜成熟市場+コモディティ化に効く14のイノベーション」があります(株の本ではありません)。今回は、ハイテク以外も含め100社以上の事例があるそうです。

 プロ野球のスカウトは、どの時期で、有望選手を青田刈りしたら、成功の可能性が高いでしょうか。「並外れた運動能力を持つ5歳の子供がいる」として、高い契約金を出せますか?

 同様に、新市場を創造する成長企業にも、「最初に買いに入る時期」があると思います。「ゴリラゲーム」では、キャズムを渡ってから、とはっきりと書いてあります。私も、(今では)同感です(拙稿「ゴリラ企業の破壊力」参照)。
 
 先日の、サイボウズの記事では、「今は、キャズムの、はるか手前」と、書きました。これは、私が、サイボウズを期待していないということではありません。むしろ、かなり期待しています。ただ、どんなに期待していても「5歳の子供」とは契約してはいけないよ、ということです(サイボウズが、5歳とは思っていませんが)。
 いうまでもなく、利益水準から見て「割高」「割安」なんてこととは関係ありません。利益ゼロであっても、feedpath普及率が世界で90%以上であれば、「即座に買い」かもしれません。
 
 逆に、私が失敗したなと思っているのが、アイディーユーをフライングで買ってしまったことです。なぜ、フライングしてしまったかというと、不動産流動化事業の好調がしばらく続くだろうから、マザオクが低調でも、業績は心配ないと、考えたからです(棚卸資産に計上されている優良不動産500億円〜想定IRR15%以上〜からの収益だけで、今期予想40億円は、超えますから、業績未達の心配などはまったくしていません)。
 マザオクは、伸び悩みです。これは、「マザオクは駄目だ」ということではありません。ジェフリームーアの著書を読んだ方はご存知のとおり、キャズムの前の停滞は、多くの新規市場が通る道なのです。ですから、想定内といえば、そうなのですが、例外は作るべきではなかったと思っています。株価がどうのこうのというのではありません。

 
 新年には、アイディーユーとアセットマネージャーズを、減らし(少し残し)、リサとフィンテックを買い増す予定です。
 
 □ 過去の投稿「ゴリラ捕獲シリーズ」 □
 ゴリラとチンプとモンキー
 ゴリラ企業の破壊力
 ゴリラ企業の時代背景

 ゴリラゲームのケーススタディ
 (「ゴリラゲーム〜株式投資の黄金律」著者ジェフリームーア氏らによる)

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