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2006.08.11

「金持ち父さん、貧乏父さん」ロバート.キヨサキ

 非常に分かりやすい本ですが、柔軟な頭で読まなければ、わけがわかりません。先入観や知識のせいで、内容が理解できないかもしれません。
 この本で書かれているのは、二種類の人間。つまり「お金のために自分が働く」人間と、「自分のためにお金が働く」人間について、です。後者のほうがいいに決まっているのですが、多くの人は、(能力ではなく)欲望と恐怖のために前者の道を選んでいるのだ、とキヨサキ氏は説きます。

非常にお勧めの本です。以下、いくつか本文から抜粋します。

 「お金を持たずにいることが恐いから必死で働く。そして給料を受け取ると欲張り心が頭をもたげ、もっとお金があればあれも買える、これも買えると考えはじめる。そのときに人生のパターンが決まる。(略)そういう人はたとえお金を多くもらえるようになっても、支出が増えるだけでパターンそのものは決して変わらない。これが、私が『ラットレース』と読んでいるものなんだ(P67)」
 「今より多くお金が手に入ったところで、それはその人の頭の中のお金の流れのパターンを加速するだけなのだ。(略)そのお金をどうやって自分のために働かせるかといったことを知らなければ、いくらお金を稼いでもむだだ。(P101)」
 「あなたの賃貸対照表の資産欄に入ってきたお金は、あなたのために働いてくれる労働者だと考えるといい。お金のいいところは人間の労働者と違って24時間働いてくれる(略)
 金持ちと中流以下の人間の大きな違いは、中流以下の人間がお金を手にするとまず贅沢品を買おうとするのに対して、金持ちは贅沢品を最後に回すことだ。中流以下の人間は(略)お金があるように見えるかもしれないが、現実には借金地獄に深くはまりこむだけだ。(略)金持ちたちは、まず最初に資産を築く。そのあとで、資産から生み出された収入で贅沢品を買う。(P130)」

 特に、この本の中で強調されているのは「資産」と「負債」の違いです。
 「資産」とは、お金を運んでくれるもの。「負債」とはお金を奪っていくもの。
 ですから、「持ち家」は間違いなく負債なのです。なぜなら、家を持つことで支出が増えるからです。
 「中流以下の人間は、いつもお金に困っている。(略)給料が上がると税金も上がる。支出の方も給料と足並みを揃えて増えるのがふつうだ。だから、結果として永遠に終わることのないラットレースを続けることになる。こういう人はたいてい、収入を生む本当の資産にお金を投資する代わりに家を買い、それを最大の資産だと考えている(P113)」

 ラットレースにはまった人が抜け出せない理由は次の一文にあらわされています。
 「金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思い込む(P92)」

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