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2006.06.01

ゴリラとチンプとモンキー

 ゴリラ企業の代表例が、パソコンでいうと、マイクロソフトです。OSのウインドウズの地位は圧倒的であり、ライバルと価格競争の必要がありません。多くの企業はウインドウズの仕様に合わせて自社製品を作っており、マイクロソフトの横暴には、腹を立てていますが、ウインドウズの新仕様に合わせようと、必死です。ゴリラ企業を憎んでいる多くの企業が、ゴリラを支えています。
 さらに、ゴリラ企業は、自領域だけでは満足しません。かつては、ワードの分野では一太郎が、表計算ではロータス1-2-3が、ブラウザではネットスケープが、NO.1でしたが、マイクロソフトが侵略してくるなり蹴散らされてしまいました。ウインドウズの独占力が背景にあるので、最初から勝負は決まっているのです。ウインドウズの仕様を少し変えれば、ライバルのソフトは動かなくなってしまうのです。拡大やりたい放題、この破壊的成長力が、ゴリラパワーです。
 
 チンプ企業の代表が、MacOSでのアップルです。小さなニッチ市場で、生きています。他の分野に侵略する独占的な力は持っていませんが、その市場の中では安泰です。
 非常に低いですが、万が一、ゴリラが転んだときに、自分がゴリラになる可能性もゼロではありません。
 
 モンキー企業の代表は、デルやソニーです。他を差別化する決め手を持たず、常に価格競争などの消耗戦を闘っています。モンキーは本質的にモンキーなのであり、どんなに頑張ってもゴリラにはなりません。デルもソニーもすばらしい企業です。株価もすばらしいパフォーマンスをあげる可能性があります。しかし、いつ、転落するかも、わかりません。デルの以前には、コンパックがNo.1だったのです。
 
 以上の3分類の中で、長期投資に値するのは、ゴリラとチンプだけです。モンキーは、業績が良い限り保有できますが、常に決算をチェックし、悪ければ売り払ってしまわなければ、大変なことになります。
 そういうわけで、モンキーの株価は、常に短期的な将来見込みしか織り込むことができません。ですから、モンキーの株価は、常に安く、成長率と比べて、割安に見えがちなのです。そのために、ファンダメンタル投資家と言われる投資家達は、モンキーを「低PERだ」と喜んで買い、ゴリラを「高PER」と敬遠しています。が、区別がつかないことが、どういうことなのか、追々、書いていきます。
 

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