トップページ | 2006年8月 »

2006.06.01

長期投資宣言

 私は長期投資家です。
 長期投資とは、良いと思った企業の株を何十年も持ち続けることです。企業の業績には、当然に波があります。悪い決算のときもあるでしょう。そうして、株価が下がったときに買い増すのが長期投資であり、決算が悪ければ売ってしまうのが中短期投資です。そういう観点で、日本に長期投資のブログは、ほとんどありません。
 逆に言えば、決算が悪いときに買い増しできる企業が、長期投資に値する企業であり、決算が良い間は保有を続けるが、業績が下がれば売らねばならない企業は、中短期投資向きの企業です。この区別をつけることが、長期投資の第一歩です。しかし、ほとんどの投資家は、ファンダメンタル分析といいながら、この区別がついていません。
 
  私は、企業を3つに分類します。
 ゴリラとチンプとモンキーです。(この分類は「ゴリラゲーム〜株式投資の黄金律」を参考としています。)

ゴリラとチンプとモンキー

 ゴリラ企業の代表例が、パソコンでいうと、マイクロソフトです。OSのウインドウズの地位は圧倒的であり、ライバルと価格競争の必要がありません。多くの企業はウインドウズの仕様に合わせて自社製品を作っており、マイクロソフトの横暴には、腹を立てていますが、ウインドウズの新仕様に合わせようと、必死です。ゴリラ企業を憎んでいる多くの企業が、ゴリラを支えています。
 さらに、ゴリラ企業は、自領域だけでは満足しません。かつては、ワードの分野では一太郎が、表計算ではロータス1-2-3が、ブラウザではネットスケープが、NO.1でしたが、マイクロソフトが侵略してくるなり蹴散らされてしまいました。ウインドウズの独占力が背景にあるので、最初から勝負は決まっているのです。ウインドウズの仕様を少し変えれば、ライバルのソフトは動かなくなってしまうのです。拡大やりたい放題、この破壊的成長力が、ゴリラパワーです。
 
 チンプ企業の代表が、MacOSでのアップルです。小さなニッチ市場で、生きています。他の分野に侵略する独占的な力は持っていませんが、その市場の中では安泰です。
 非常に低いですが、万が一、ゴリラが転んだときに、自分がゴリラになる可能性もゼロではありません。
 
 モンキー企業の代表は、デルやソニーです。他を差別化する決め手を持たず、常に価格競争などの消耗戦を闘っています。モンキーは本質的にモンキーなのであり、どんなに頑張ってもゴリラにはなりません。デルもソニーもすばらしい企業です。株価もすばらしいパフォーマンスをあげる可能性があります。しかし、いつ、転落するかも、わかりません。デルの以前には、コンパックがNo.1だったのです。
 
 以上の3分類の中で、長期投資に値するのは、ゴリラとチンプだけです。モンキーは、業績が良い限り保有できますが、常に決算をチェックし、悪ければ売り払ってしまわなければ、大変なことになります。
 そういうわけで、モンキーの株価は、常に短期的な将来見込みしか織り込むことができません。ですから、モンキーの株価は、常に安く、成長率と比べて、割安に見えがちなのです。そのために、ファンダメンタル投資家と言われる投資家達は、モンキーを「低PERだ」と喜んで買い、ゴリラを「高PER」と敬遠しています。が、区別がつかないことが、どういうことなのか、追々、書いていきます。
 

損切り

 柔道上達の第一歩が「受け身」から始まるように、株投資で最初に覚えなければならないのが、「上手な負け方」、つまり、損切りです。
 業績が悪化するとき、景気が降下するとき、市場は早めに反応します。もし、私たちの判断よりも、市場の判断が正しかったとき、株価は、急降下し、大きな損害を受けます。ですから、損切りは、前もって定めた基準に従い、機械的に実行しなければなりません。自動的に。
 ただし、それは、中短期投資の場合にです。
 バフェット語録に、《損切り》という言葉がないように、ゴリラ企業の長期投資には損切りはありません。バフェットは、「10年持てない株は、10分も持つな」、また、「一生のうちに株を買うのは20回まで」と書いています。

 これこそが、長期投資と中短期投資の、大きな違いです。
 もちろん、長期投資でも、売ることはあります。しかし、それは、リバランスとか過熱調整の場合です。リスク回避ではありません。

 モンキー企業は、業績の悪化から、あれよあれよと、衰退することがあります。
 ゴリラ企業と、モンキー企業の違い、長期投資と中短期投資の区別がつかなければ、悲惨な結末を迎えます。

続きを読む "損切り" »

私の投資方針

 私は、ゴリラ企業やチンプ企業の長期投資(10年以上)で資産形成を目指します。
 バフェットという成功者の目標があるのですから。
 長期投資は、私のようなトレーディングとかの才覚のない者にとって、リスクの低い資産形成法です。(もっとも、長期投資企業基準は、バフェットとは、少しだけ違います。)

 しかし、勢いのあるときのモンキー企業の、株価上昇力を見逃す手はありません。
 そこで、一部資金で、中短期投資(数週間から数年)をおこない、利潤を、長期投資購入資金に回します。
 すみませんが、ここでは、年に数回以上の売買をさせてください。趣味でもあるし、経済の勉強にもなります。
(長期は少し、退屈)

 もちろん、この2者は、まったく違う性格のものであり、区別します。
 はっきりと、区別します。

トップページ | 2006年8月 »